外見も内面も、年齢を経ることでアップデートされるから 美容って楽しい・前田紀至子さん<前編>

第39回目は、美容ライターやプランナーとして活躍されている前田紀至子さんにご登場いただきます。美しい容姿とは裏腹に、銭湯やサウナが好きという渋い趣味を持つ前田さん。そんなギャップも魅力的な前田さんは、自他共に認める“美容・健康オタク”。日々いろいろなケアやアイテムを試すことも楽しんでいるそう。そんな前田さんのお仕事についてのお話や、きめ細かく美しい肌を保つ秘訣、健やかに毎日を暮らすための習慣などについてお話しいただきました。

「現場は足で!」コンシューマー目線で買っていろいろ試すのが好き

ー 以前は、モデルのお仕事もされていたそうですね。ライターを志したきっかけについて教えてください。

前田さん:

中学生の頃に、ファッション誌「ニコラ」の専属モデルをやらせていただいていたのですが、背も高くないし、写真を撮られるのも得意じゃないしあまり向いてないな…と思っていたんです。そんな時ご一緒する編集者の方々の仕事を見て、モデルよりも制作の方に興味を持って。中学生でモデルは卒業して高校へ進み、大学入学と同時に女性誌で学生ライターとして働き始めたのが、キャリアのスタートです。それから卒業と同時にフリーランスになりました。

ー 現在はどのようなお仕事がメインですか?

前田さん:

今は、美容や旅を中心に取材をしたりコラムを書いたりとライター業に加え、商品開発やコンサルティングなどにも携わらせていただいています。またファッションブランドとコラボして洋服も作らせていただいています。もともと編集者なので、いまの女性が求めているものやどういうものに魅かれるのかをチェックすることや、こういうものにしたら売れるんじゃないかという仕組みを作るのが好きなんです。だから、その延長線にあるコンサルティングというお仕事は、相性が良いのかもしれません。

ー お仕事をする上で大切にしていることや、やりがいについて教えてください。

前田さん:

結果を出したいっていう気持ちが強いんです。クライアントにも満足して欲しいという思いで、仕事には向き合っています。お互い気持ちよく仕事をするのはもちろんだけど、「±プラス」で終えたいし、それが継続できるならもっと嬉しいですよね。市場調査も大好きなので、店頭で実際に商品を見て、自分で買って試すことも大切にしています。化粧品はいただくことも多いけれど、「現場は足で!」という気持ちが基本にあるので、いま何が売れているか、人気なのかはコンシューマー目線で常にチェックしています。

スキンケアは、「3歩進んで2歩下がる」。悩みは尽きません

ー 普段のスキンケアについて教えてください。

前田さん:

私の肌はキメが細かい反面、皮膚が薄くて乾燥しやすいんです。だから、洗いすぎない・こすりすぎないことは意識しています。ない物ねだりですが、キメはもう少し荒くてもいいから厚みのあるモチっとした質感が欲しい。そうしたら、もっとスクラブやピーリングなどもいろいろと試せるのにとも思います。あまり恵まれた肌質ではないからこそ悩みは尽きなくて、試行錯誤しながら試しています。新しいケアを試したり、「やっぱり保湿が大事だな」と気づいてまた基本からやり直したり。スキンケアは、3歩進んで2歩下がる感じだなと思っています。食わず嫌いせずいろいろと試すけど、自分の肌を見極めながら、時には省くケアも大切。何を使うかも大切だけど、使う時に摩擦を抑えたり、使う量を調整したりと自分の肌に合った使い方も考えながら、実験感覚で楽しんでいます。

ー 他に心がけていることはありますか?

前田さん:

私、寝ないと本当にブスになるんです(笑)。目がぼんやりして肌もくすむので、理想は7〜8時間は寝たいです。そのためにアルコールとカフェインを控えています。たまにアルコールを飲むと、飲まない日と比べてこんなに違うの?と肌や体調の変化に驚きます。毎日飲んでいたら麻痺して変化にも気づかなくなるのかもしれませんね。またカフェインを摂ると眠りが浅いと感じるし、すごく敏感になりました。ちゃんと眠れた日は気分がいいし、仕事もはかどります。寝不足は肌の調子や表情も悪くなるし、そうするとモチベーションも下がる。でもよく寝ただけで、肌の調子も良くなって気分まで明るくなるなんて、安上がりですよね。だから、寝ることに命をかけているんです(笑)。

きちんと寝て体調を整えることも、スキンケアのうち

ー そんなに違うのですね!お仕事柄、睡眠不足に悩む方も多いかもしれませんね。

前田さん:

仕事がハードだった時期に、深夜でも早朝でもいつ連絡が来るかわからない状態で、常に仕事が頭にあって寝られなくなった時があったんです。一度寝るのが下手になると、今日も眠れなかったらどうしようと不安になったり、明日は7時から撮影で何時間寝ないといけないから何時には寝なきゃと焦ったり。いろいろと考えると余計眠れなくて、負のループに陥っていました。きちんと寝て体調を整えることは仕事のためにも大切だし、それも含めてスキンケアだと思っています。

ー 睡眠は肌にも体にも必要ですね、睡眠の質を上げるために他にも何かしていますか?

前田さん:

携帯電話をリビングに置いて寝たり、寝る前にエッセンシャルクリームなどでデコルテをマッサージしたり、深呼吸をしながら寝たりと工夫しています。今では、お布団に入って目をつむったらすぐ眠れるのが幸せ。7時間でピタッと目が覚めるんです。銭湯やサウナ、ジムへ行くのが大好きなのですが、これも眠りの質をアップしたくて始めました。体を動かしたり温めたりすると、ぐっすり眠れる気がします。

ー 睡眠の大切さを身をもって実感されたのですね。朝の習慣について教えてください。

前田さん:

起きたら、まずマヌカハニーを舐めます。もともと胃腸があまり強くないのですが、知り合いの美容ライターさんのおすすめで最近始めたんです。一緒にLG21やR1といった乳酸菌も摂るようにしています。はちみつに含まれるオリゴ糖が腸内の善玉菌のエサになるのだそう。あとは常温のお水を飲んだり、黒豆茶を飲んだり。黒豆茶はカフェインレスだし美味しいし、何より飲み始めてからまわりの人に、以前より肌の調子がいいと言われるように。朝やかんで沸かしたものを冷まして一日飲んでいます。

ー 夜の習慣についても教えてください。

前田さん:

夜はお風呂が中心です(笑)。週2〜3回はサウナか銭湯、ジムに行って、それ以外は自宅と、お風呂生活をローテーションしています。ジムだとジャグジーが広いし、銭湯やサウナだと気持ちも体もスッキリするし、自宅だと好きな香りの入浴剤を入れてゆっくりと楽しみます。スキンケアも大好きなので、夜はマスクなどのスペシャルケアも取り入れながらしっかりやっています。そして、寝る時に欠かせないのが湯たんぽ。乾燥するため暖房はつけたくないので、湯たんぽは長年愛用しています。抱きながら眠るのですが、温かくなってすぐに寝てしまいます。

ー 内側から健やかで輝くような美しさは、日々の習慣の賜物なのですね。

前田さん:

国内外問わず、旅の仕事で行くことが多いので、体調はいつでも整えておきたいですね。旅先で体調不良や時差ボケに左右されないためにも、日々の健康管理は大切。月1回は旅の取材があるので、最近では普通に東京で過ごせるのが幸せです。そんな時、銭湯やサウナに行けば、“無”になれるし自分だけの時間を過ごすことができてリフレッシュできるんです。

外見も内面も、年齢を経ることでアップデートされるから美容って楽しい

ー 女性が年齢を重ねることについて、どのように考えていますか?

前田さん:

アジアの女性は美容に対して意識が高いし、若さを保つための美容整形や美容医療も発達していますが、逆にフランスではシワが素敵と褒めるような習慣もあるし、そういう文化的な違いも面白いなとも思います。このシワがなかったら良いのに、と思う気持ちもわかるし、一方でシワが増えて人間の深みになるというのもわかります。私自身も、このシワが消えて欲しいと思いつつも、年齢を重ねることでできることも増え、自分が進化することが楽しいとも思う。矛盾しているけど、内面も外見も年齢を経ていくことで確実により良くアップデートされていくはず。

ー 前田さんにとって美容とはどのようなものでしょうか?

前田さん:

美容は目に見えやすいし、結果が出しやすい。昨日より今日、今日より明日とどんどんアップデートできるんです。もちろん肌のハリなどは落ちていくかもしれないけれど、今はそれを補うためにあまりある美容アイテムがあるおかげで、年齢を重ねるごとにそれらを使う楽しみも増えるもの。美容は必ずないといけないというものではないけれど、もし興味があるなら美容があるおかげで楽しみも増えますよね。その上で、何を選び取るかはそれぞれの自由。ナチュラルなシワを刻むのもいいし、若さと美を追求して美容医療を試すのもいい。それで自分が満足できるなら、美容って楽しいものだなと思っています。

Photos by Nobuki Kawaharazaki

前田紀至子さん

前田紀至子さん
(まえだ・きしこ)
美容ライター・プランナー。ファッション誌「ニコラ」の専属モデルや女性誌での編集・ライターを経て、大学卒業と同時にフリーランスに。現在は、美容や旅、ライフスタイルを中心に、雑誌やwebなどのメディアでの執筆や連載を担当するなど幅広く活動中。美容や旅の情報をアップするインスタグラムも、同世代の女性から支持を得ている。Instagram:@ki45m

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